供養の日本史

受付終了

講座概要

講座番号 D240401
曜日 月曜日
開講期間 2024/04/08(月)2024/05/06(月)
時間 10:00~23:59
受付期間 2024/02/09(金)2024/04/21(日)
受講料 一般:4,000円,在校生・教職員:4,000円,卒業生:4,000円
実施方法 オンライン
会場 オンライン
講師 徳野 崇行

講座の内容

 長い歴史と伝統が踏襲されているとされている現在の供養は、実は明治時代以降に先祖供養の儀礼が新たに加わることで再編されたものです。日本仏教の歴史の中で様々な高僧たちが独自の仏教思想を展開してきたことは言うまでもありませんが、そうした思想の影響を受けつつ、僧侶たちは死者の生き方と向き合いながら、どのような供養が相応しいのかを真贄に問い、それは供養儀礼の多様化を生み出す原動力となりました。本講座では、古代、中世、近世、現代の四つの時代の供養をそれぞれ1回ずつ紹介し、日本における供養の歴史を辿ります。

講座スケジュール

実施日 講座タイトル 講座詳細
1回目 2024/04/08(月) 古代日本における仏教伝来と弔いの変容  
 
第1回は仏教が日本に伝来して天皇の弔いが仏教化していく様相を辿ります。まず天皇家の殯、誄や諡号の献呈といった特別な儀礼が行われていたこと、奈良時代に執り行われた文武天皇の弔いから仏教的な儀礼が導入されたこと、天皇の追善供養が国家的事業として執り行うようになったことを説明し、日本に仏教的な弔いが受容されていく背景に迫ります。
2回目 2024/04/08(月) 中世社会と武士の供養           
 第2回は武士が政権を握った中世社会の供養に焦点を当てます。殺生が不可避であった武士たちの信仰と供養について、平清盛などの平氏、鎌倉時代以降の源氏三代将軍、北条氏などを事例として、その実態にせまります。とくに「顕密」と称される旧仏教の供養から禅宗の供養へと移り変わる変化や墓が民衆化していく状況について着目します。
3回目 2024/04/22(月) 江戸の供養文化  第3回は江戸時代の檀家制度の成立過程を説明した上で、禅宗では中世の供養法が近世寺院の行法書で明文化されていく状況、施財によって段階が設定されていた法事の形態、藩主家の供養と民衆の供養の具体相とその違いなどについて焦点を当てます。その際、合巻の挿絵なども適宜史料として活用しながら見ていきます。
4回目 2024/04/22(月) 弔いの現代的変容 ― 散骨、樹木葬、宇宙葬、IT ―
第4回は多様化している現代日本の弔いに焦点を当てます。直葬や家族葬といった葬儀の縮小化が見られる一方、樹木葬、海洋散骨、宇宙葬、手元供養といった新たな埋葬が提案される状況を説明し、その背景を探ります。

対象レベル

初級

重視している項目

仏教と供養の関わり

備考

定員になり次第受付を終了します。
配信開始後に受講料払い込み手続きをした場合、お支払い完了確認後、配信終了日までが視聴可能期間となります。

講師紹介

徳野 崇行
仏教学部仏教学科准教授
1978年、宮城県生まれ。
駒澤大学大学院人文科学研究科修了。博士(仏教学)
専門は宗教学。研究テーマは民間信仰・民俗宗教。

徳野 崇行